知的生産性のツールとしてのブログ - fladdict.net
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僕が英国にいるから・・・というのは僕のブログのスタイルと関係があるのだろうか、と思った雑記。
日米の専門家を比較して思うのは、日本の専門家はおそろしく物知りで、その代わりアウトプットが少ない。もう公知のことだから自分が語るまでもなかろうという自制が働く。米国の専門家はあんまりモノを知らないが、どんどんアウトプットを出してくる。玉石混交だがどんどんボールを投げてくる。そんな対比をすごく感じる。
とのことだけど、自分でも日米(欧)ブログの温度差を感じていた。
僕の守備分野は主にflashとprocessing、情報デザインの類だったのだけど、海外では自分の作ったコードやロジックを積極的に発表するブログが多い一方で、日本では日記と自分の気に入ったサイトのメモ、1行感想がメインで、技術は徹底的に隠蔽されている印象がある。先日から英語版もスタートしたわけだけど、ユーザーの食いつき(?)のようなモノもかなり違いが見える。
日本にはflash技術系、海外情報系の競合ブログがほとんど存在せず、1年半後に気がついたら、半素人の大学生がflashのフロンティアを突っ走る・・・という、なんとも微妙なポジションのブログになっていた・・・
梅田氏がブログを「知的生産性」のツールと位置づけてらっしゃっているが、実際ブログを書くという行為は、恐ろしい勢いで本人を成長させる。それはこの1年半の過程で身をもって実感した。
何がどう変わるのかというと、まず一定層の読者がつくと、適当な内容が書けなくなる。ゆえに検証とリサーチの能力が磨かれる。リサーチを通じて多くのブロガーから多角的な視点を学ぶと同時に、己の引き出しが急速に増えていく。一方でこの時期からエントリの内容量の増加と、品質へのプレッシャーから筆が鈍るようになるが、文章とリサーチのバランス感覚や、コメントでの間違いの指摘などへの耐性が身につき、失敗を恐れない図太さが身についたりもする(と思う)。
付足すなら、誰がどういう情報を出すかとかリファラーやコメントとかから、どこら辺の人が何に注目しているのか?といったことも何となく把握できるようになってくる。
ただ、ブログを通じて自分が学習した最大のことは、
「自分がお金に変換できない情報やアイデアは、溜め込むよりも無料放出することで(無形の)大きな利益を得られる」
ということに尽きると思う。
以前も情報をブログに載せるメリットみたいのを書いたけど、いくら情報を個人で囲い込んでも、情報や技術はそう簡単には独占できない。短期的に独占できても、いずれは誰かが類似技術を発表してしまったりする。ところが逆に自ら1次情報の発生源となっしまうと、それはお金には成らなくても、名声、評価、人脈といったモノに変化するようだ。たまには何故か自分が情報のアドバンテージを握れたりもした。一方で身の丈以上の評価をされて、困惑や恐縮することもありまくりでした。 vas-animatum.netとして書いていた時期は、英語圏のflash/processingの技術解説をほぼ独占していた為、そっち系限定でプチ・グーグルのごとき情報ゲートウェイとなっていた時期もあった。ページビュー的にはたったの1500/日だけど、非アニメーター向けのflashサイトとしては頑張っていた気もする。
そういうわけで、1年半前は人口5人業界認知0の超弱小サイトの頃から比べると、自分を取り巻く状況も結構変化しちゃったわけだけど、環境よりも能力的な変化のほうが大きい気がする。デビューしたての1年半前のアホ文章と最近のエントリを比較すると一目両全だったりする。劇的ビフォーアフターですよホント。 というわけで、いいことばかりなので、みんなも技術系のflashブログ書きましょうよ。というか一人で延々と書いてるとマジさみしいんですって!!